湘南物語 ~海で会いたいⅢ 感動編~
そう言って握手を求めてこられたおばあちゃま。
80歳を過ぎたとおっしゃるご夫妻が私の作品の前でしばし立ちすくんでおられた。
このご夫妻、写真中央に写るマンションにお住まいだという。
「いつも上から海を眺めてるけど下から見るとこんな風に見えるとはね~
なんて素晴らしいんでしょう。本当にありがとう。」
笑顔で私の顔を見つめるおばあちゃまから何度もありがとうの言葉を頂いた。
「こちらこそ、そんな風に喜んで頂けて嬉しいです。」
「以前は都内に住んでいたんだけど、海が大好きでここに引っ越して来たのよ。」
「わぁ、いいですね~。私も老後はこの辺に住みたいなぁ。
たまになんですけど私この海でウィンドサーフィンやってるんです。」
ちょこっとかじってるだけの私がそう話すと二人は「まぁ」と驚いたように顔を見合わせた。
しばし会話を楽しんだ後
「実はね。私たちもウィンドサーフィンやってたのよ。一年前まで。
でもね、私が病気をしてしまってもう出来なくなってしまったの。それが悔しくって悔しくって。」
華奢な体つきのおばあちゃまから出た言葉に私も「えっ!」と驚く。
そして静かに微笑んでいるおじいちゃまをの方を見ながら
「この人、本当はまだ乗れるんだけど、私が可哀そうだからって乗らないのよ。」
50歳を過ぎてから始められたというウィンドサーフィン。
道具を車に積んで逗子や材木座海岸、はたまた本栖湖や西湖へと出掛けられていたとか。
毎年のように海外でもウィンドを楽しんでいたとおっしゃるアクティブなお二人。
「病気しなきゃまだ出来たのに残念でしかたない~でもこの写真を見せて貰えて本当に嬉しいわ!」
私は胸が熱くなった。
ステキな老夫婦から頂いた感動は今回の写真展での大切な大切な宝となった。
我が家も今はなんとか元気でウィンドやスノボを楽しんでいる。
「リタイヤしたら海の近くに住みたい」とうちのダンナ。
このお二人に負けないよう80歳ウィンドサーファー、スノーボーダーを目指して頑張らなくちゃ。
by sky-yy
| 2016-06-05 00:59
| ひとりごと